テニスの試合を楽しむために考えるべきこと
実業団の試合で単複とも競ったスコアで負けてしまった。
相手はインカレ出場経験のある選手であることが試合後に分かったのだが
競った試合に負けたことは本当に悔しかった。
この試合を振り返る中で自分が試合前/試合中/試合後に何を考えているか
何を考えると楽しくテニスをできるのかを明文化したので書き出してみる。
※ 技術的なことは一切書きません。
【試合前】
〇 何段階かに分けて目標を立てる
「草トーで1勝する」、「○○さんに勝つ」など目標を立てると練習のモチベーションになる。
ただし、ゼロ/イチの目標を立てると達成できない場合に悲しい思いをすることになるので
松/竹/梅やwant/mustなど何段階かに分けて目標を立てるようにしている。
例えば私が今回の実業団の試合に臨むために立てた目標は以下である。
松:単複全勝
竹:単全勝
梅:自分の負けが影響して降格をしない
単複負けたことで松/竹は達成できないことが決まってしまったので
次戦以降に勝利することで梅を達成していきたいと思う。
〇 すべての試合に勝つことはできないと理解する
試合に勝てないと悔しいのは当たり前である。
しかし、すべての試合に勝つというのは現実的ではない。
(上級者が初球指定の試合に出るなど勝利を確実にする方法はあるが)
だからまずは
・試合の時点で自分より明らかに強い相手には勝てなくても仕方ない
・実力が同じくらいの相手との試合は半分は負ける
という前提を持っておくようにしている。
〇 テニスはあくまで趣味なので後悔しないようにプレーすることを考える
私たちのようなアマチュアプレイヤーにとってテニスは趣味の域を出ない。
団体戦であったとしても試合に負けたところで生活に影響はない。
試合に勝つことで得られるのは基本的に自己満足と他者からの賞賛の2つだけである。
だから負けることを恐れる必要は全くない。
極論、自分が後悔しないプレーができればよいと考えている。
自分はダブルスで真ん中を抜かれると後悔することが多いので
その回数を減らすことを意識している。
※大会で結果を出せれば市の代表になるなど上位の試合にエントリーできるようになったり、テニス仲間が増えたりとメリットはある。
【試合中】
〇 運に左右される場面は何があっても仕方がないと考える
ノーアドで相手のボールが自分のコートにネットインして失点、というのは悔しい。
しかし、ここで自分にできるのは「仕方ないと切り替えること」だけである。
自分はネットインやイレギュラーバウンド、フレームショットでのエースなど
実力ではない部分で自分と相手の損得が発生してしまった場面では
「日頃の徳が足りなかったな」と声に出すことで切り替えている。
〇 環境は味方であると捉える
日差し、風、気温、コート状況などテニスのプレーに影響する環境因子はたくさんある。
よくあるアドバイスは「環境は平等だから言い訳にするのはよくない」というものであるが
自分はさらに一段階ポジティブに「環境は自分の味方である」と捉えるようにしている。
・自分の球は威力がないから風で良く動いてくれるからよい
・自分だけサングラスをしていれば日差しは味方だ
・気温が高いと長い試合に持ち込めば相手が倒れてくれるかもしれない
などプラスに捉えられる要素はたくさんあると思う。
先日の試合で言えば、相手がチェンジコートの時に暑さにやられて辛そうだったので
「もっと暑くならないかな」と思っていたし、
負けた後も「気温があと3度高ければ勝てたかもしれない」と考えていた。
〇 緊張感を味わえるのはお得な事であると捉える
現役時代の成績として殊勲打(試合の勝利を決める一打)が非常に多く、満塁の場面など緊張感のある場面が大好きだったということを最近知った。
阿部選手の思考はテニスにも活かせると考え、
以下のような理由で緊張感を味わえるのはお得な事であると捉えるようにしている。
・緊張感/スリルは日常では味わえない。
・緊張感のある場面で自分ができるプレーが自分の武器であるというデータが得られる。
・緊張感のある場面でいいプレーをできるとヒーローになった気分になれる。
【試合後】
〇 あのポイントを取るにはどうすればよかったかを考える
印象に残っている失点を思い出して「あのポイントを取るにはどうすればよかったか」を考えるのが良い。
例えばチャンスボールを詰め切れずにミスして失点したポイントについて振り返り、
そのポイントを取るイメージをしておくと次の練習でチャンスボールが来たときに
「もっとネットに詰めなきゃ」と意識できるようになる。
スポーツはノートを見ながらプレーすることはできないので
ある意味では記憶力とその記憶を瞬間的に引き出す能力が必要である。
だから、振り返りとイメージトレーニングを繰り返すことでプレー中の意識に繋がると思う。
〇 ダブルスでペアの責任で負けたと考えてもよい
スポーツで「負けを人の責任にする」というのは嫌われがちな思考ではあるが
事実としてペアの責任で負けることはある。
タイブレークでネット前のチャンスボールを4本ミスされるとか、誰でも経験があるはず。
そのような場合は素直にペアのせいで負けたと思ってしまう方が気が楽になると思う。
ペアの人を責める目的ではないので
本気で「相手のせいだ」、と考えるのではなく
「自分のせいではない」くらいのレベルにしておくのが良い。
ただし、この思考は表に出すことはおススメしない。
自分の評価を落とさないために、あくまで自分の中でとどめておくべきである。
〇 競ったスコアになるならテニスの実力はイーブンであると知っておく
大学テニスの団体戦で4-6,6-7(7)のストレート負けを喫した際に
ジャッジペーパーでスコアを数えてみるとトータルポイントの差はわずか6であった。
2時間の試合をして6ポイント差というのは実力はイーブンといってもよい。
でも、その6ポイントが結果として勝ち/負けというひっくり返せない差をもたらした。
実力がイーブンなのに勝てないというのは悔しいことではあるのだが、
「何しても勝てなかった」よりは「どこかに結果をひっくり返す要素があった」
と思える方が今後の練習に身が入るのではないか。
【まとめ】
大切なのは
・気持ちの問題で試合に負けないこと
・テニスが楽しかったと思えること
・試合に負けても次は頑張ろうと思えること
である。
そのためには試合に勝つことが何より良いことではあるのだが
負けたとしても自分に都合よく考えてポジティブな気持ちで終われることが必要だと思う。
今回は以上です。